2018年2月1日 | マンガ
ザ・ファブル
凄腕の殺し屋が主人公。ボスに言われ1年間素性を隠し一般人として生活することになる。しかし移住した大阪では次々とトラブルに巻き込まれる。
主人公がピンチに陥るような強い敵が現れる、という少年マンガ的パターンはなく、とにかく強い。汗ひとつかかずに仕事をこなす様が爽快で最高にクールです。
例えば絵を描くとか音楽を作るとかサッカーや格闘技とか、違いを生み出すクリエイティブな能力について、プロの極意や特別な感覚を言葉にするのは難しい。どんなことに普段から注目し、爪を研ぎ、応用させるか。殺しにもそういう、やっている人にしか分からない感覚、常にそのことを考えている人ならではの頭の使い方があるのだろう。
主人公の佐藤も、「匂いとしか言えない」とか「うまく言えないし、言ったところで伝わらない」という。そんな佐藤が山籠りの話の時は、クロちゃんを相手に知恵と工夫について語っています。
どこか達観しているような佐藤の態度。例えば、誰かに「モテるでしょ?」と質問した時に、「ああ、オレはお前の100倍モテる」とウケ狙いでもなく返される感じというか。謙虚さがないとか偉そうとか、そういう次元ではなく、あくまで自分も含めた対象に対して冷静な評価を下す。人の目を気にするよりも、冷静な評価や判断が重要なのである。そうでないと殺される。こんな風に仕事をしていれば、人間関係や人の目など、ほとんどのことは瑣末なことになる。
友だちに勧められた時は表紙の絵の感じからか、なかなか手に取らなかったのですが、早く読めば良かった!と後悔しました。1巻の最初の方とか、「うーん、これ面白い作品なのかな??」と勘ぐりながら読み始めることになるかもしれませんんが、大丈夫。その後の面白さは保証します。